応募者のためのナルティスツアー2022 vol.7
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こんにちは!ライターの宮本です。
入社10年目のデザイナー原口恵理さんに迫るインタビューの後編。
今回は、入社してから現在に至るまでを振り返り、さらにナルティスで初めて取得されたという産休・育休についてのお話も伺います。
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■今回のインタビューイ
原口恵理さん◎2013年4月入社。大学卒業後、専門学校に進学。新卒でナルティスに入社。
産休育休から復帰後1年。
代表作は『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ/KADOKAWA)、『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)、
『艦隊のシェフ』([原作]池田邦彦[作画]萩原玲二[監修]藤田昌雄/講談社)、
『ひかるイン・ザ・ライト!』(松田舞/双葉社)など。
Interview
子育てと仕事を両立する10年目デザイナーの現在地
「ひとまず10年」を目の前に思うこと
――2022年4月で入社10年目を迎えられるとのことですが、振り返ってみていかがですか?
あっという間の10年でしたね!格段にできることが増え、広い視野でデザインについて考えることができるようになったと思います。
思い返すと入社当時は何もわかっておらず、トンボを切るのもいちいち不安でしたし、
データを作るのも不安で先輩に逐一確認してもらいながらやっていましたね。
今は後輩も増えて、bossや先輩方に教わってきたことを振り返りながら指導にあたっています。
――自分が成長したなと感じる瞬間はありますか?
1年目からずっと地続きになっている感覚なのですが、提案力は増えたかなという気がします。
最初は頭が固くて当たり前のパターンしか出せなかったなと思うのですが、
今は色んな角度からのアプローチでその作品の魅力を出すためのアイデアが出せるようになったかも。
入社したときにbossに「ひとまず10年頑張ってみな。」と言われていたので、とりあえず10年というのを目標にして
頑張ってきたのというのもありますね。
――長く続けているとモチベーションが下がるときもあると思うのですが、そのあたりはいかがでしょう?
あんまりモチベーションが下がらないタイプかもしれません。
今日ここに自分が携わった作品を用意してもらっているのですが、見ていただいたらわかる通り、
それぞれのジャンルが全く別。そうなると、考えることも作品ごとにがらりと変わってくるんですよね。
かっこいい系だったり、おしゃれ系だったり、シンプルな大人系にまとめたり…。
作品の性格によって色んな角度からのデザインにチャレンジできるので、飽きが来ない仕事なのではないかと思います。
それでも気持ちが乗らない時は、編集さんや作家さんが喜んでくれたときのメールを読み返したり、
好きなデザイナーさんの作品を見たり、娘の写真を見たりします。(笑)

――初めて奥付に名前が載った作品のことを教えてください。
初奥付は『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)という作品です。
入社した翌年に担当させていただきました。
――入社して2年足らずで単独奥付だったのですね!
bossと共作という感じで一緒に進行していたのですが、「これはほとんどぐっち(原口の愛称)がひとりでやったようなものだから、
自分の名前だけ載せな。」と言ってくださって…。初めて単独で名前を載せていただきました。
――どんな気持ちでした?
すごくうれしかったです!
昔から本が好きだったので、自分の名前が本の一部になっているというのがすごく不思議な気持ちでした。
『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)は2020年に20巻目となる最終巻が出て完結したのですが、
最後まで一緒に走らせていただいて本当にありがたかったです。

――作品の完結まで一緒に走るのってどんな感じなのでしょう?
キャラクターは、自分の友達みたいな感じになります。
あのキャラはこういうときにはこうやって行動するだろうなっていうのもわかってくるし(笑)。
トクサツガガガは長い連載期間の中で、ドラマ化をされたり、特装版が出たり、
雑誌でも特集記事を何度もデザインしたりと、色んなことを体験させていただきました。
そういった節目節目で一緒に作品を盛り上げるお手伝いが出来て、とても嬉しかったですね。
連載が最終回を迎えた時は、キャラクターたちにもう会えなくなるんだと、本当の友達との別れのように寂しかったです…。
デザイナーに必要なコミュニケーション能力
――装丁のお仕事、原口さんはどういった心意気で取り組んでらっしゃいますか?
どの作品も作家さんの魂のこもった作品なので、全力でやらせていただいています。
デザイン中はプレッシャーもすごいんですが、作家さんや編集者さん、読者さんに
喜んでもらえる装丁にしたいという気持ちが強いですね。
装丁のイラストディレクションから入る場合は、この作品をどうしたらひと目で読者さんに手に取ってもらえるんだろう
というのを真剣に考えます。
逆に、作家さんからすでに完成絵をいただいて作る場合は、「作家さんはこういう絵を描きたかったんだな」というものを汲み取り、
どうデザインすれば一番装丁でイラストが映えるかを考えることが多いですね。
―― “絵を見て相手の意図を汲み取る力”というのも大事なスキルなのですね。
そうですね。
実はデザインってコミュニケーションの仕事だと思っていて。相手の話や意図を理解する能力は
意外とデザイナーに求められることなんですよね。
――デザイナーさんって黙々とパソコンに向かっているような勝手なイメージを持っていました。
私もデザインの仕事に関わる前はそう思っていたのですが、実際働いてみると、編集さんとの密な連絡のやりとりもしますし、
いただいたテキスト素材を見て「ここを盛り上げたいんだろうな」と文章から読み取る力も必要だったりするんです。
打ち合わせでも、編集さんや作家さんがどのように見せたいのか、どんな人に届けたいのか、など
“ヒアリングする力”というのは必要になってきます。
――実はコミュニケーションが必要な仕事なのですね!
と言いながらも入社当時は全然できませんでしたよ(笑)。
bossや先輩方の打ち合わせに同席させていただいて学んでいきました。最初は同席した打ち合わせでも何も喋れなくって…。
私は相槌しか打つことしかできないのに、その横でbossは先方の意図を汲み取って「こうですか?」って
さらさら~とイラストラフを書いたりするんですよ。それを見て毎回驚かされていました。
初めての産休・育休を安心して過ごせた
――原口さんはナルティスで初めて産休・育休を取得されたとお聞きしました。詳しく教えてください。
会社としても私としても、初めての産休・育休でした。
一昨年の1月くらいにbossとマネージャーには妊娠したことをお伝えしたのですが、
すぐコロナ渦になってしまったこともあり3月から私だけリモートワークの体制を取らせてもらいました。
(※2020年4月以降は全社的にリモートワーク体制へ、現在も一部リモートワークを実施しています。)
――手続きなどはスムーズに進んだのでしょうか?
はい。そこからマネージャーと具体的な日にちを決めながら、郵送で必要な書類をやりとりして…。
リモートワークをしながら出産の1ヶ月前には無事に産休に入らせてもらいました。
会社として初めての産休・育休取得だったので、サポートしてくれたマネージャーも大変だったと思います。
――産休に入られてそのままの流れで育休も取得されたのですか?
9月に出産してそのまま育休を取り、次の年の4月から復帰しました。だいたい8ヶ月くらいですかね。
4月に娘を保育園に入れたのですが、慣らし保育の期間もマネージャーに仕事量をセーブしてもらい、
ゆっくり娘と向き合うことができたのでありがたかったです。
――育休期間、不安だったことはありますか?
デザイナーとしての感度が下がるのではないか、というのはめちゃくちゃ不安でした。
でもだからといって、育児は毎日が目まぐるしくデザイン書を見るような時間もなく、
またコロナ禍もあって外出む難しくて展示を見に行ったりもできず・・・。
せめてと思って、雑誌や街の看板、テレビの画面など目で得られる情報から
“このデザインは何を意図して作られているのか”などをいちいち考えるようにはしていましたね。
本当に忙しかったので、できたのはこれくらいです。
――クリエイティブのお仕事は、ブランクを経ることを不安に思う方って多いと思うんですよね。
私もすごく不安だったのですが、「でも8ヶ月だけだしな~!」と思い直しました。
復帰したあとは色々なものを見る機会が増えたので、デザインから離れていた期間を埋めるかのように
めちゃくちゃデザイン書を読み漁るようになりましたね。
――復帰してからはスムーズに仕事に戻れましたか?
Adobeの操作は「あれ? こんなだったっけ?」と思うくらい最初は脳がバグっていたのですが(笑)。
すぐに慣れて、復帰して新規の案件をいただき、割とスムーズに戻れたと思います。
復帰後初めてのお仕事はこちらの『ひかるイン・ザ・ライト!』(松田舞/双葉社)でした。

ただ、作業量やスピードを産休・育休前のペースに戻すのは苦労しましたね。
やっぱり感覚は落ちていたのかなと思います。
今はもう1年経ち、以前の思考回路でできるようになりましたけど。
ただ、娘もいるので物理的に以前より時間が取れないのでわーっとなっちゃうこともあります(笑)。
――育児と両立されている今、どのような働き方をされているのでしょうか?
朝9時に娘を保育園に送り、その後家の片付けをしつつ11時前には仕事を始めます。
保育園が18時までなので、迎えに行ってから娘のご飯やお風呂を用意して、21時までには寝かしつけ。
そこからまた夜に仕事を開始するという感じです。
本当に疲れているときは寝かしつけと一緒に寝落ちしたりとかもあります…(笑)
――基本はご自宅でお仕事されているのですね。
はい、出社はせず、基本は在宅ですね。
私の場合は時間が限られているので、ガッと集中して仕事をするようにしています。
リモートワーク中デザインで迷ったりしたら、マネージャーにメールして「どうですか?」と聞いてみたり、
デザイナーの友達と電話したりするようにしています。あとは飼っている猫をぎゅっと抱きしめて癒やされる!
――1日にどれくらいの案件をこなされているのでしょうか?
1日に2、3件はラフを送って、入稿が1本とか…。
最近は結構忙しくなってきて少しハードです。
でも、「原口さんにお願いしたいです」と編集さんからご指名いただくお仕事は、できるだけ全部受けたいと思っています。
――9年も続けられていれば、ご指名の案件も多いんでしょうね。
本当にありがたいですよね。
今でも「私でいいのか…」と思うこともありますが、でもどれだけ忙しくても「全部引き受けたい!」という気持ちになっていくんです。
いただいたお仕事は全力でやらせてもらっています。
――最後にどういう方にナルティスに来てほしいと思いますか?
何事も楽しめる人です。うちは漫画に関連するお仕事が多いですが、漫画の中でも少女漫画だったり、
青年漫画だったり、少年漫画だったり、本当に幅広くやらせていただいているので、
どんなジャンルでも興味を持って作品のことを理解しようとする人に来ていただけるとうれしいです。
たくさんのご応募お待ちしています!
【終】
「応募者のためのナルティスツアー2022」、最後はナルティスbossのインタビューをお送りします。
鋭意編集中ですのでお楽しみに!!
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