応募者のためのナルティスツアー2022 vol.2
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こんにちは! ライターの宮本です。
本日お届けするのは、デザイナー・稲葉玲美さんに迫るロングインタビューの後編。
前編では、ナルティスに入った経緯や漫画デザインの醍醐味について話してくれた稲葉さん。
後編となる今回は、デザイナー志望なら一度は憧れる「奥付に名前が載る瞬間」や
ナルティスがどういった会社なのかについても語っていただきました。
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■今回のインタビューイ
稲葉玲美さん◎2018年6月入社。SPツールなどのデザイナーとしての勤務(3年)を経て、ナルティス入社。
代表作は『日常ロック』(KADOKAWA)、『そのモガリは熱を知らない』(講談社)、『はぐるまどらいぶ』(実業之日本社)、
『ねこのマッサージ屋さん』(オーバーラップ)など。
Interview
デザイナーとは、本に名前が載る仕事――入社4年目・稲葉玲美【後編】
「初めて奥付に名前が載ったときは本当に驚きでした」
――デザイナーのお仕事をしていると、毎度奥付にお名前が載ると思います。
初めてご自身の名前が奥付に載ったときのことを教えてください。
最初はもう驚きでした。めちゃくちゃうれしいんですけど、「載っていいの?」みたいな気持ちもあって。
当時は1年目で先輩の作品を手伝っていたのですが、先輩に「奥付に名前載せるね!」と言われ、「まじか、いいの!?」って。
「こんなことで載っていいのか」みたいな気持ちが強かったのですが、いざ出来上がった作品を見て、奥付を確認したら
「あっ、本当に載ってる!」と実感しました。もちろん友達に自慢しました(笑)
でもしばらくは「本当に載っちゃったんだ」というかんじもあって、そうしたら、bossに「これは、名前が載る仕事なんだよ」と改めて言われ、
本当にそうなんだって身に沁みましたね。頑張ろうって気持ちになりました。

――“名前が載る仕事”と考えたとき、どういう気持ちで仕事に挑んでいますか?
プレッシャーじゃないけれど、「ちゃんとしないと」という気持ちが第一にあります。
任せていただいているので、担当していいものができなかったら嫌だなという気持ちも。
名前を出していただくからには、死ぬ気で頑張らないとなって。
デザインに取り組む際、私は第一にミスを少なくすることを意識しているんです。
基本的なことではあるのですが、ミスなく丁寧に取り組むことは入社当時から今も心がけたいと思っていることです。
真面目に、丁寧に、というのがまずないといけない。それでもミスするときもあるので常に反省なのですが。
私はクリエイティブで、おしゃれで、センスがいいみたいなデザインをまだ全然できていないと思っているので、
編集さんや作家さんの意向を聞いて、それをいかに叶えるかというところを真面目に突き詰めるしかないなって。
――稲葉さんはとっても真面目な方なのですね。
でも、それだけだとつまらなくなってしまうので、真面目にとことん突き詰めたうえで、
いかに細かいところに“遊び”を入れられるかというのも大事にしています。
細部にほんの少し遊び心を入れたり、作品らしさを出したり、ときには変化球を投げてみたり。
時間との戦いではあるし、いつも全部できるかと言われればまた違ったりはするのですが、
それが私らしいデザインなのかなと思っています。
――デザイナーの仕事を楽しいと思えたのは、入社してからどれくらい経ってからでしょうか?
最初からずっと楽しかったです! アシスタント時代から、「自分は漫画に関わっているんだぞ!」という感覚が楽しくて。
例えば、イラスト切り抜くだけにしても、作家さんの描いた生データを見られるってすごいことじゃないですか。
そういうのがひとつひとつ新鮮でしたね。漫画の裏方に携わっているんだっていう意識が、“誇り”になっていた気がします。
――ちなみにデザインの引き出しを増やすためにやっていることはありますか?
構図の引き出しを増やすために、できるだけ多くの絵を見て研究するのは日常的にやっているかもしれません。
ネットやTwitterでいろんな絵を流し見する。ひとつをじっくり見るというよりも、“たくさん”を見るようにしています。
漫画のカバーになるイラストって、地味すぎるとあまりウケがよくないことが多いんです。
カバーを見ただけでその作品の雰囲気やどういったキャラクターなのかを伝えるための構図にしなければならないので、
いかにチラリズムを探求できるか、可愛さを引き出せるか、ハッタリを効かせられるか、などのほうが大切で。
その作品の魅力を伝えるためのポーズを提案するためにも、いろいろな絵を見ることで引き出しが培われるのではないかな
と思っています。
――おもしろい! そうやって“デザイナー脳”はできているんですね。
入社後にbossに言われたのは、“スクラップブックをつくる”ということ。
お菓子のパッケージでもパンフレットでも何でもいいので、自分が「いいな」と思ったものを
スクラップブックに溜めていくとすごくいいよって。最初は実践していたのですが、なかなか集めるのも難しくて…(笑)
でも、bossは今でもやっているみたいです。すごいですよね。
“目にするもの全部をデザイン的に考える”っていうのは、デザイナーを生業にする人たちは
皆さんやってらっしゃるのではないかなと思います。

――どうやってデザイン案をたくさん出すのだろうっていつも不思議に思っていました。
引き出しが尽きてしまうこともあるのかなと思うのですが。
自分でもどうしようって思うときも、正直結構あります。
最近は在宅でお仕事しているので、目にするものが減るじゃないですか。
どんどんインプットが減っているなというのは感じていて、どうやって克服しようかなっていうのは今後の課題だったりします。
ネットでおしゃれなものをたくさん調べていても偏ってしまったりするので。
だから、外に出ていろいろ見る。それが一番インプット的にはいいのかなとは思います。
もちろん、基本の勉強は専門書を読むなどしながら続けているんですけどね。
リモートワークで変わったこと、変わらないこと
――現在は完全リモートワークでお仕事をされていますよね。出勤していたときと比べて変わったことなどありますか?
※ナルティスでは一部リモートワークを実施しております。
個人的なことなのですが、リモートワークになって「すごい案件が増えたね!」と
bossやマネージャーに言われるようになりました。
今までは通勤時間に結構縛られて仕事をしていたんですけど、今は自分の時間を決めて仕事ができるので、
その分できることやこなす量が増えたのかもしれません。
――リモートワークのほうが性に合っていそうですか?
そんなかんじはしています。出社戻れるかなって(笑)
――打ち合わせもフルリモートなのでしょうか?
最近はそうですね。対面で打ち合わせをして現場でさらっとラフを描くみたいなことはほぼできなくなっているのですが、
私の場合は、装丁のお仕事を本格的にやり始めたのがリモートになってからなので、そこまで不便は感じていません。
でもやっぱりオンラインの打ち合わせだと相手の反応がわからないのはちょっと困ったりします。
変な間ができてしまったりってことは結構ありますね。
――在宅勤務されていると、勤務とプライベートが地続きになって気分転換が難しかったりすると思います。
リモートワーク中の気持ちの切り替えはどうされていますか?
私の場合、時間を決めて動くことが多いです。
朝9時に仕事を始め、昼12時には必ず昼ごはん、15時になったらちょっと休憩…
というルーティンを決め、時間刻みで動くようにしていて。
業務的に打ち合わせや入稿があったりすればもちろん別なんですけど、できる限り時間で決めて動くようにしています。
そうしないとだらだらやっちゃってしんどくなってしまう気がするので。
――15時からの休憩は何をされているのですか?
1時間くらい散歩をしています。
私、鳥が好きなのですが、外をぼーっと歩いているときに見たことのない鳥を見かけるとテンションが上がるんです。
――それ、色校を見たときの感動とどっちがテンション上がります?
どっこいどっこいですね!笑
――(笑)。メリハリをつけて生活されるのが好きなのでしょうか?
好きかもしれないですね。
決めないとやれないっていう性格でもあるので、最初から時間を決めておけば「あ、ご飯の時間だ」と切り上げられる。
出社していたときに比べても、リモートワークになって断然生活リズムはよくなっています。
今のほうが融通もきくし、生活リズム的にはありがたいことになっています。
――ナルティスはイベントをたくさん開催する会社だと聞いていますが、
コロナ渦になってそういったものもストップされているかと思います。そのあたりはどうですか?
入社4年目ですが、じつはナルティスキャンプには1回しかいったことがないんです。
入社1年目は天気が悪くて流れたので2年目で初めて行ったのですが、ものすごい待ち望まれているキャンプなんだなって気がしました!
コロナで2年くらいイベントごとがなくなってしまっているのは残念っちゃ残念ですが、その分仕事ができるかなって(笑)

――本当に仕事熱心な方なんですね。
いやいや、早く終わらせてラクをしたいって思っているんですけど、そうはいかないという(笑)。
でも、リモートワーク始まってから、結構気分が落ち込んだりしたんですよ。
ひとりでずっとやっているので、長い時間やってしまうし、「寝ているときと食べているとき以外はずっと仕事してんじゃん」
みたいな気持ちになってきて。一度本当に辞めようと思ったときもあったんです。
でもその都度マネージャーに連絡して、話を聞いてもらったり、打開策を打ってくれたりして。
結構わがままを言ってしまったのですが、なんとかやってこれました。
今は任せてもらえる仕事も増えてきて、仕事がハードにはなってきたというのもあるのですが、
でもその都度マネージャーに相談することができるので、そこで救われています。
社長のことを“boss”と呼び、“マネージャー”がいるデザイン会社 ナルティス
――“マネージャー”という存在がいるのもナルティスの特徴のひとつですよね。
マネージャーがいるのは、すごく、もう本当にありがたいです。
申し訳ないなと思うのですが、本当に抱えられなくなったときに相談すると、マネージャーが対応して助けてくれるっていうのが
わかっているので、そのぶん安心して仕事ができるというか。すごい迷惑かけてしまっているかもしれないんですけど。
――みなさんマネージャーの存在には助けられているかんじでしょうか?
そうだと思います。
マネージャーがいないとどうなっちゃうんだろう!って思います。
頼り切ってしまっている感じもあるんですけど。
――ほかに、ナルティスならではの働き方はありますか?
今、4社目ですが、これまでの会社と比べると会社というか“集まり”という感覚が強いです。
上下関係のある組織というより、いい意味でみんなフランクな感じがあるので。
マネージャーという相談できる存在が常にいるので、みんなかしこまらないで仕事ができるし、
遠慮してしまうという感覚がないんですよね。
もしかしたらbossとマネージャーのキャラクターがフランクというのもあるかもしれないです。
例えば、bossとマネージャーとデザイナーの誰かの3人の場ができても、かしこまらずに喋れます。
――bossも“THE社長”という感じがなさそうですね。
入社して最初びっくりしたのが、社長のことをbossって呼ぶことでした。
「bossって何?」と思って(笑)。そこでまずびっくりした記憶があります。
社員同士はあだ名で呼び合っているし、でも嫌な感じは全然なくて、そのおかげでフランクに話せているのかも。
あと、職業柄なのか、みんなでいろんな話ができちゃうんですよ。
ちなみに、bossの「b」を大文字の「B」にしたら、「そういうの偉そうだから小文字にして」ってbossに言われたことがあります。
そういうところをすごい大事にしているんだなって。
実際bossと話していても、上司・社長・偉いみたい上下関係はなくて、すごいデザイナーの先輩という感じで話ができます。
bossをはじめ、会社がそういう感覚を作ってくれているので、すごい居心地がいいというか、ありがたいですね。
――お仕事の面ではどうでしょうか?
すごくひとりひとりのデザインを尊重してくれると感じます。
作ったものに対して、直しはあっても大筋は直されない。
入社当初、「もっとがんがんにダメ出しされてへこむのかな…」と不安に感じていたのですが、そういうのはなかったですね。
まだ入社して日が浅いとき、bossにデザインを見せたらいいところをすごく褒めてくれたんです。
それは本当にうれしかったし、働きやすい会社だなと思います。
――今回の応募でどんな方にナルティスに来てほしいですか?
漫画が好きな人がいいなって思います。あとはサブカル的な文化に抵抗がない人。
デザインに自信がないって面で言えば、それは大丈夫な気がします。
漫画や本が好きであれば、やっていける会社だと思いますね。
他のデザイナーの先輩がバックアップしてくれるので、経験が浅くても自分のデザインを見つけられるんじゃないかなって思います。
最初は、漫画のトビラひとつ作るのも、例えば作家名をどこに置くのかとか、どういう書体を使うのかとかもまったくわかなくて、
私は本当になにもできなかったんですよ。
でも、教えてもらって、いっぱい直されていくと、やっぱり覚えていくんですよね。
身につくまでの勉強はもちろん大切だと思うのですが、学んで覚えていく姿勢があるひとであれば、
私みたいな経験の浅かった人間でもなんとか成長していくことはできます。
そのあたりは心配せずに、迷っているのなら応募したほうがいいと思います!
【終】
ナルティスではデザイナーを募集しております。
この後も「応募者のためのナルティスツアー2022」は続きますのでお楽しみに!!
デザイナー募集要項はコチラからご覧ください。