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2022年 04月 11日
応募者のためのナルティスツアー2022 vol.10



こんにちは! ライターの宮本です。

長きに渡ってお届けしてきたデザイナーインタビューも今回がラスト。

ナルティスのbossこと、新上ヒロシさんから、ナルティスが歩んだ歴史、そして現在地について伺います。


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現在ナルティスではデザイナー募集中です。>>>募集要項はコチラ>>>

よりナルティスを知っていただくための「応募者のためのナルティスツアー2022」を公開中です。
ぜひご覧ください。
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新上ヒロシ◎1968年横須賀市生まれ。

桑沢デザイン研究所在籍後、数年間デザイン事務所に勤務ののち、1997年ナルティスを設立。

代表作は『聖☆おにいさん』(中村 光/講談社)、『ランド』(山下和美/講談社)』、

『ツイステッド・シスターズ』(山下和美/講談社)、『山と食欲と私』(信濃川日出雄/新潮社)、

『サ道―マンガで読むサウナ道―』(タナカカツキ/講談社)、『涙雨とセレナーデ』(河内遙/講談社)など。



Interview

これまでのこと、これからのこと

人との出会いが仕事になる


――今年でデザイナー歴35年の新上さん。同じ仕事を長く続けていると大小様々な波があると思います。

   その都度どのように“続けて”こられたのでしょうか?


ずっと同じ職業をやっていると思ったことはあまりないかもしれませんね。

若い頃、いつまで経ってもデザインをやらせてもらえなかった時期があったことを考えると、

今は「デザインしてください」と指名をいただけるわけじゃないですか。こんなに嬉しいことはないですよね。


――長く仕事を続ける上で、気が乗らなくなったりされないのでしょうか?


ないですね。基本的に嬉しいし、楽しい!

いつもデザインを頼んでくれてありがとうという気持ちです。

デザインについてはまだまだ勉強し尽くしたとはさっぱり思っていませんし、僕には師匠がいるようでいなかったから、

多くの人と出会って右往左往やっていくうちに何かを必ず学んで来た感覚があって。

代官山のブックデザインの先生や僕を誘ってくれた怖い先輩、僕にDTPを教えてくれた印刷会社の方、

漫画デザインの世界へのきっかけを作ってくれた編集者さん、

ここ数年はマネージャーの上野と出会って会社経営とともに一緒にやってきた。

だから、ずっと同じことをやっている感覚もないし、仕事に気乗りしないこともないんです。

大変なこともあるけれど、日々人と出会いながら勉強しながら進んでいるという感じですね。


――ナルティスはマネージャーがいるデザイン事務所ですが、設立当初からマネージャー制度はあったのでしょうか?


ナルティスを設立してからしばらくはデザインの仕事と並行して僕がマネージャーのような仕事もしていたんです。

でも、とにかく仕事量が増えてしまってマネジメントにまで手が回らなくなってきてしまいました。

一時は解散してしまおうかと考えたこともあるのですが、独立当初からお世話になっている税理士の先生に

「この先もナルティスを続けるには、人を雇わないとやっていけないよ」とアドバイスされたこともあり、一度よくよく考えたんです。

考えた結果、僕には人をマネジメントする才能はないんだろうと。

だったら、マネジメントできる人を探そうと思いました。

そう考えていたとき、たまたま上野がナルティスに「グラフィックデザインの現場を教えてください!」と飛び込み取材に来たんですよね。


――それが上野さんとの出会いなんですね。


ただでさえ飛び込み取材なんて緊張することなのに、あの通りの社交性でしょ?

すらすらとしゃべるし、すごい人だなと思ったんです。それが第一印象でした。

その頃、「居酒屋ナルティス」と題して金曜日の夜に編集者や漫画家さんを集めて事務所で飲むイベントみたいなことをしていたんですよ。

集まるときは30人くらい来てわいわい飲んでいたのですが、そこに上野も来るようになったんです。


そういう場での上野を見ていると、みんなに名前と顔を覚えてもらい、漫画家さん同士の繋がり役になっていたりして。

とにかく柔軟に人と接していて、人との垣根がなかった。そういう性格が魅力的だと思ったんですよね。


――でも上野さんはそのときはまだ別の会社に在籍していたんですよね?


そうなんです。すごくちゃんとした企業にいたから、口説くのに1~2年くらいかかったんですよ。

月に一度は呼び出してナルティスがどうなっていきたいかという話をして、

「僕と一緒になんとか手探りでやってくれないか」とお願いをしました。

人をスカウトするからには、条件面なんかも提示しながら、

「僕は毎日デザインしなくちゃいけないんだけど、デザイン以外のことに手が回らない。だから助けてくれないか」って。


――最終的にはどのような形で上野さんがご一緒することになったのでしょう?


最終的に、「新しい事務所へ引っ越す勢いでやりたい。そのくらいの覚悟です」と伝えたら

「そこまで大プロジェクトならおもしろそう」と上野も納得してくれたんです。

当時僕は35歳くらいで、仕事の忙しさもピークだった。

そこから上野はこのブログを書きながら、一緒に物件探しをして、江戸川橋の事務所へ引っ越しました。

>>>マネージャー上野日誌>>>


引っ越してから人を募集して、1人、2人、3人と増えていって、今は高円寺の事務所にまた引っ越して…。

そういうことが全部実現したのはやっぱり上野がいてくれたおかげだと思いますね。


――今のナルティスがあるのはマネージャーのおかげでもあるんですね。


上野自身も何だかわからない業界に突然飛び込んできて、

そこから自分で開拓していったっていう経験は初めてだったと思うんですよ。

最初はもう10円ハゲとかいっぱいできていたし。

人が増えるたびに「あの人とうまくいくにはどうしたらいいんだろう」と悩んでくれました。


社外のことでも活躍してくれましたね。編集部への営業って普通緊張するじゃないですか。

でも上野はコロッケ100個を編集部に持っていって「上野来ましたーっ!」とコロッケを配って編集部をまわったりしてくれたんですよ(笑)。


――コロッケ100個!?


嘘のようで本当の話で(笑)。

編集部の人たち一瞬ビックリするんだけど、でもそれで「ナルティスの上野」というのは強烈に印象付けられる。

そのおかげで、仕事に繋がっていったりしましたから。

僕も、上野をマネージャーとして迎え入れて改めて覚悟ができたという感覚があります。

やっぱり会社を辞めさせてまで来てもらった以上は、会社をちゃんと大きくしていきたいという決意もあったし。

江戸川橋の事務所に引っ越したところから、今のナルティスのすべてが始まった気がします。

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△江戸川橋に移転したての頃。新しいロゴデザインに刷新、表札も自分たちで貼りました


打ち合わせの重要性


――ナルティスでは打ち合わせを大切に考えられているとお聞きしました。内装にもその想いが反映されているとか…?


江戸川橋の事務所を作るときに内装のアイデア出しをしていて、「打ち合わせをすごく大事に考えている」という話を

内装デザイナーさんにしたところ、「吊戸棚をキャンバス地にしてみたらどうですか?」というアイデアをいただきました。

居酒屋に行くと、サインが書かれた色紙が壁一面に貼れられていると思うのですが、あのイメージです。


――壁一面、漫画家さんが描いてくださった絵で埋め尽くされていますね!


「漫画家さんがここに描いてくれたらいいよね」と言っていたら予想以上に描いてくださる方が多くて。

ありがたいことに、こんな風に圧巻のスペースになっています。

江戸川橋時代の吊戸棚もこうして切り抜いて、今の高円寺の事務所に持ってきています。

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――普段打ち合わせはどのように行うのですか?


今はオンライン打ち合わせも多いですが、打ち合わせには作家さんや編集さんに事務所に来ていただいて行います。

よく上野も同席してくれるのですが、デザインと関係のない雑談を作家さんや編集さんと話してくれるんですよ。

すると、僕は安心して先方の話をヒアリングしながらさっとノートにラフを描いたりできる。

上野も「新上が今何か描いていますけど、最近はどうなんですかー?」と話を切り盛りしてくれて。


――話は上野さんに任せて、という感じですね。


僕らデザイナーはいたずら小僧みたいなものですよ。

言葉にはできないし、話もうまくないけど、デザインや絵にはできる。

得意な人に話を進めてもらって、デザイナーは話の端々を拾いながら、編集さんや作家さんが表現したい“何か”を見つける。

それが僕ら流の打ち合わせなのかなと。

だから、話が得意である必要はないんです。

うちのデザイナーたちも、もっとマネージャーに委ねちゃえばいいと思うんですよね。

そしてだんだん委ねることがうまくなっていくといいな、なんて思っています。



ナルティスの“今”がずっと続いていくように


――今後のナルティスはどうあっていきたいですか?


10年後にどうなりたいか、などというビジョンは実はあまり持たないようにしています。

でも、例えば今のようにコロナ禍になったらリモートワークができるようにするとか、

一昨年のように社員が妊娠したら産休・育休制度を整えるとか、いろんなことがこの25年であったけれど、

その都度解決策を考えて動くことができてきたなという自信はあります。


――臨機応変にやってこられたんですね。


もちろんどれもマネージャーのおかげだと思うのだけど、これからもそうやって出てきた課題をクリアしながら、

今の状態をちゃんと続けていけるように努力をしていきたいと思っています。


――応募締め切りが迫っています。どのような人がナルティスに向いていると思いますか?


デザイン事務所がなんだか怖いというイメージを持っている方はたくさんいると思います。

僕も最初怖い思いをしたし(笑)。でも、そこは心配しなくていいと思います。

学校で学んだことや前職での経歴などそれはそれで大事かもしれないのですが、まずはここで始めることを楽しめる人は、

ナルティスでやっていけると思うんですよね。

デザインは、人と人とが仕事をしていく現場です。

単行本のデザインをひとつ仕上げるのにも編集さんがいて、作家さんがいて、印刷会社の方がいて、

何人も人が関わっていくことになります。その人たちとの関わりを楽しめる人はやっていけると思いますね。


――やっぱり人と人とのつながりを大切にされているんですね。


うちにきたら知識や経歴がなくてもそれなりにできちゃうと思う。

とにかくチームであることが大事だし、作品をリスペクトできるかどうかだと思っています。

だから、実力や学歴に自信がないくらいのことで応募するのを躊躇しないでほしいです。


――学歴や経歴に自信がなくてもひとまず応募してみるというのもありですね。


逆に、特定の漫画だけが好きでその漫画だけのデザインをやりたい、というのはちょっと違うかな。

同人誌を作るような考えではデザインはできない。

作家さんと対等に僕らは名刺を持ち、人同士が作るものがデザインですから。

あと、シャイだとか、コミュニケーション能力がないだとかも全然困らないと思う。

うちには最強のマネージャーがいるし、そういったことは全部フォローしてくれるので心配しないでください。

ナルティスは、フォローし合いながら才能を開花させていくポテンシャルを持っている事務所なので。みなさんの応募お待ちしていますよ。


――長時間にわたり、インタビューありががとうございました!

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【終】




<応募者のためのナルティスツアー2022>はこれにて終了です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


ナルティスではデザイナーを募集しております。

〆切間近ですが、ご応募お待ちしております!


デザイナー募集要項はコチラからご覧ください。







# by nar_boss | 2022-04-11 19:00 | 応募者のためのナルティスツアー2022
2022年 04月 11日
応募者のためのナルティスツアー2022 vol.9

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こんにちは! ライターの宮本です。

ナルティスのbossこと新上ヒロシさんに迫る単独インタビューの中編。

vol.9となる今回はなぜナルティスは漫画のお仕事をするようになったのか?など新上さんが過去切り開いてきた道に迫っていきます。


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現在ナルティスではデザイナー募集中です。>>>募集要項はコチラ>>>

よりナルティスを知っていただくための「応募者のためのナルティスツアー2022」を公開中です。
ぜひご覧ください。
vol.9 bossの場合【中編】←現在のページ
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新上ヒロシ◎1968年横須賀市生まれ。

桑沢デザイン研究所在籍後、数年間デザイン事務所に勤務ののち、1997年ナルティスを設立。

代表作は『聖☆おにいさん』(中村 光/講談社)、『ランド』(山下和美/講談社)』、

『ツイステッド・シスターズ』(山下和美/講談社)、『山と食欲と私』(信濃川日出雄/新潮社)、

『サ道―マンガで読むサウナ道―』(タナカカツキ/講談社)、『涙雨とセレナーデ』(河内遙/講談社)など。



Interview

漫画デザインとの出会い

「これも新上さんなんですね!」が最高の褒め言葉


――新上さんが最近手がけられた作品を今日は持ってきていただきました。

   まるで全部違う人が作ったかのようですね!


別人みたいでしょ?毎回人格が変わってる感じです。

変わろうと思って変えているわけじゃなくて変わっちゃうっていう感覚のほうが強いのですが…。

最近のお仕事は単行本メインですが、舞台の宣伝美術などもやらせていただいています。

撮影ディレクションからポスター、チケットなどのトータルデザインのお仕事ですね。

>>>舞台『両国花錦闘士』宣伝美術、制作レポートはコチラ>>>

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△舞台『両国花錦闘士』宣伝美術(企画・制作:東宝/ヴィレッヂ 制作協力:明治座)

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――デザインをする上でのこだわりはありますか?


自分のデザインに印もつけたくないし、漫画に関しては作家さんと編集者のものだから、

とにかくデザインが全面に出ないようにするべきだと思っています。

僕が一番うれしいのは、「これも新上さんのデザインなんですね」「新上さんってこういうのもやるんですね」と言われること。

そう言われるということは、自分の意外性が出たということだと思うんです。


――意外性というと?


「新上さんってこういう人だね」と思われていたところに、「えっこういうデザインもするんだ!」と驚かれたわけじゃないですか。

そういう自分さえもわからないような表現に落とし込むことができるのはこの仕事ならではのこと。

自分自身も「僕はそういうこともやっちゃうんだ!」と毎回新しい発見ができていれば、

新鮮にデザイナーという仕事を続けていけるんじゃないかなと思っています。

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――今、漫画に関連するお仕事がナルティスでは多いと思います。

   どのように漫画の仕事を増やしていったのでしょうか?


独立したあとに知り合ったコピーライターさん繋がりで、講談社のモーニング編集部の方と知り合いになったんです。

一緒にスキーに行ったり、飲んだりしているうちに仲良くなり、そのうち「モーニングの巻末に次号予告のページがあるんだけど、

やってみないか?」と言われたのが最初のきっかけ。

当時のモーニング編集部は青年漫画誌の新分野開拓に熱心に取り組まれているときで、

編集部に行ったらものすごく熱い現場になっていて。

そこに取り込まれるように毎週のように次号予告をやらせていただけるようになったんです。


――次号予告ページがスタートなのですね!


そうなんです。次号予告の仕事をするうちに、漫画の単行本のデザインがあることを知っていきました。

いつか僕も単行本のデザインをやりたい。

そう願いながら、次号予告やプレゼントページのお仕事をやらせていただく日々を重ねていきました。

すると編集部に入り浸っているうちにだんだん顔を覚えてもらうようになり、

あるとき、「単行本のデザインをやってみないか?」と声が掛かったんです。


――ついに! これが新上さんの原点ですね。


当時のモーニングではバンド・デシネのような新しいものを積極的に紹介していくような風土があり、

その一環として、フランス人の漫画家さんの単行本を作ることになったと。

そしてその漫画家さんの単行本のデザインを、ありがたいことに僕にお願いしたいとご依頼いただきました。


――これが初めての単行本ですね。当時を振り返ってみていかがですか?


「漫画のデザインってどうなっているんだろう?」ということを学びながら、精一杯やらせていただきました。

王道の漫画ではなく、フランス人の作家さんの漫画だったのでそういう新しさを踏まえながらデザインしたことを覚えています。

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△『太陽高速』(バル/講談社)・『喜郎』(ヴァレンヌ/講談社)・『旅』(ボードァン/講談社)




Mac黎明期、DTPとの戦い


――今年でナルティスは25周年。新上さんご自身はデザイナー歴35年目となります。

   写植などのアナログ、Mac黎明期などあらゆる時代の変化を経験されてきたと思うのですが、

   その都度どのように適応されてきたのでしょうか?


最初の代官山のブックデザイン事務所はパソコンどころかレイアウト指定や版下作業があたりまえで、

ズームができるコピー機もない時代でした。

コピー機やファクシミリが飛躍的に進化し、ついにマッキントッシュがまだ小さかったモノクロ画面で登場します。

さらにDTP関連のソフトが出始めます。

僕の場合、独立するまではすべて手作業のアナログデザインでやっていました。

だからもうDTPが出始めたときはすごく嫌でしたね! 「なんでまた覚えなきゃいけないの?」って(笑)。

最初に買ったMacなんてすぐ固まっちゃうし、不便でしょうがなかったんです。


――今までのやってきたやり方が通用しなくなるんですもんね。


だんだん時代が進んでいくにつれて、自分の頭の中でも整合性が取れなくなっていくのを感じていました。

代官山のブックデザインの先生がやっていた“アカデミックなデザイン”が最初は主流だったのに、

将来的にDTPに取って代わられていく…。

だとしたら、デザインにとって本当にいいものは何なのかがわからなくなってきて…。

DTP導入期は今思えばうつ状態に近かったですね。


――アナログでするデザインとデジタルでするデザインは使う筋肉が全く違うと思うのですが、どのように対応していったのですか?


何度も「こんなものやらない!」と豪語していた僕ですが、QuarkXPressというDTPソフト、さらにAdobeのIllustrator、

Photoshopの3つで雑誌を作らなきゃいけないときがついにやってきたんです。

アメリカのオートバイ雑誌の『Easyriders』という雑誌の日本版『Easyriders Japan』を創刊する仕事をいただいたのですが、

アメリカは既にフルDTPになっていると。

だから当然「新上くんもDTPができなきゃこの仕事はできません」と編集長に言われました。

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――うわあ、それはやらざるを得ない状況ですね…。


当時の僕は28歳くらい。結婚したばかりだったこともあり、定期刊行の雑誌の仕事は喉から手が出るほどほしい案件でした。

とはいえ「やります!」と言ったものの、DTPの知識が貧弱・・・。

そこで、印刷会社のDTPチームの方に1ヶ月かけて僕にDTPを仕込んでいただくことになったんです。

印刷会社の方もデザイナーのデータがちゃんとしていなかったら大事故が起こるから僕に必死になって教えてくれました。

あのときは痩せるほど勉強しましたね(笑)。

そこから無事に操作もできるようになり、しばらくは当時のアシスタントと僕の2人で『Easyriders Japan』のデザインを

請け負うことになりました。半月徹夜して半月休むという生活をしていたのですが、『Easyriders Japan』のおかげで

DTPの知識や技術も増えましたね。そこで自信をつけて、DTPが怖くなくなりました(笑)。

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――今はフルDTPが当たり前の時代となっています。当時と今を比べていかがでしょうか?


未だにDTPが完成したとは思っていませんが、アナログ時代と比べれば今は何倍もの書体が使えるようになったので、

そういう意味では充実した時代になっているのかもしれません。

でも、白黒で版下を作っていたあの頃は、色に対する想像力はもっと豊かだった気がするんですよね。

色校が出てくるまで完成品を見られないから迷いがない、というか。

当時は色校が出るまで1週間ほどかかっていたので、一度作ったデザインを寝かせることもできていました。

今は画面を見れば、すべての色味がわかった状態でデザインできるじゃないですか。

すぐに答えが出るから寝かせる時間もない。


――なるほど。どちらがいいという話でもなさそうですね。


そういうことを考えると、「一体どっちが進化したの?」って思っちゃいます。

電子書籍のデザインは仕上がりと全く同じ色が目の前に現れますよね。

今はそれが当たり前になっているけれど、アナログ時代を経験した僕からするとどちらが豊かなのかはわからないです。

難しいですけどね。



【後編】では、ナルティスの会社の歩んできた歴史、これからのナルティスについても紐解きます。

お楽しみに!


ナルティスではデザイナーを募集しております。


デザイナー募集要項はコチラからご覧ください。






# by nar_boss | 2022-04-11 18:00 | 応募者のためのナルティスツアー2022
2022年 04月 11日
応募者のためのナルティスツアー2022 vol.8

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こんにちは! ライターの宮本です。

応募者のためのナルティスツアーもいよいよ大詰め。

vol.8となる今回は、ナルティス創始者のbossこと新上ヒロシさんにインタビュー。

前編では、今年デザイナー歴35年を迎える新上さんのルーツに迫ります。


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現在ナルティスではデザイナー募集中です。>>>募集要項はコチラ>>>

よりナルティスを知っていただくための「応募者のためのナルティスツアー2022」を公開中です。
ぜひご覧ください。
vol.8 bossの場合【前編】←現在のページ
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新上ヒロシ◎1968年横須賀市生まれ。

桑沢デザイン研究所在籍後、数年間デザイン事務所に勤務ののち、1997年ナルティスを設立。

代表作は『聖☆おにいさん』(中村 光/講談社)、『ランド』(山下和美/講談社)』、

『ツイステッド・シスターズ』(山下和美/講談社)、『山と食欲と私』(信濃川日出雄/新潮社)、

『サ道―マンガで読むサウナ道―』(タナカカツキ/講談社)、『涙雨とセレナーデ』(河内遙/講談社)など。



Interview

工業デザインへの興味からナルティスができるまで


bossのルーツはエンジン!?


――デザイナーは新上さんにとって幼い頃からの夢だったのでしょうか?


いや、実はそうでもないんですよ。僕の興味の目覚めは「技術」の授業ですね。

中学のときの技術の先生に影響を受け、車やバイクのエンジンに興味を持つようになったんですよね。

今でもその先生のことを鮮明に覚えているのですが、作業着を着て、常に何かを作っているような人でした。

その先生が、エンジンの構造とか、4ストローク、2ストローク、さらにはロータリーっていうものすごいエンジンがあるとか、

とにかく小難しいことを技術室でたくさん教えてくれるわけです。

技術室での時間は、もう大学に行っているようなものでした。

先生のその話の影響で工業高校に行きたくなり、横須賀工業高校に進学することに決めたんです。


――てっきり絵画の話や美術部の話になると思ったら工業の話からスタートするんですね!


工業高校では、毎日作業着を着て油まみれ泥まみれで作業していました。

「このエンジンはどうやって動いているんだ?」ってことを四六時中考えて図面に起こしたり、

車やエンジンの部品の断面図を描いたりするのはおもしろくてね。


――ちなみにそのときの将来の夢は?


自動車整備工でした。F1のチームに入ってF1メカニックみたいなこともやってみたかった。

エンジンを作ってみたい気持ちもありましたね。とにかく高校3年間はずっと車やエンジンのことばかり考えていました。


――一番の魅力はなんだったんでしょう?


部品の集まりを精密に組み上げると車になって走ったり、飛行機になって空を飛んだりというのを、

ものすごくおもしろく感じていたんですよね。

だからよく自転車などをばらして「どうやって成り立っているんだろう?」と部品をスケッチしていました。


――バラバラの素材を集めてひとつにする……

   なんだかデザインとも通ずるような考え方ですね。その後はまさか自動車整備工に…?


いえいえ。工業高校はほとんどの人が就職するのですが、近くに大きな自動車工場があったこともあり、

同級生はどんどん就職先を決めていました。

高3の僕も「やっぱり車の整備かなあ」なんて思っていたのですが、

あるとき「あれ? なんか就職しないほうがいい気がする」と漠然と思ったんですよね。


――周りが就職を決めていく中、なぜ就職しないほうがいいと思ったのでしょう?


就職しちゃったらそこで終わりで、次の興味が出てこないような気がしたんですよね。

そうこうしているうちに、次第に“工業デザイン”という分野があることに気づきます。

今まではエンジンや機構のことばかり考えていたけど、工業デザインは車の形やエンジンの形をつかさどる分野。

いくら性能や技術がよくても形がかっこ悪かったら意味がないなということに気づき、「デザインってなんなんだ?」と。


――デザインとの出会いですね!


バイクで言えば、いつも技術屋とデザイン屋のせめぎあいがあって、かっこよくて性能のいいバイクが誕生するわけです。

今残っているバイクってみんなかっこいい形をしているのにも納得ですよね。

「デザインってすごいことだぞ…!」と思い、僕はデザインの道に進むことを決めました。

ところが、先生に「デザインのできる就職先はないんですか?」と聞いても、

通っていた高校にはそういった実績がないからわからない、と。

おまけに親も僕が進学すると思っていなかったものだから、もちろん進学資金の準備もないし、自分でなんとかするしかなかった。

バイトで貯めたお金だけでも行けるような安い学校はないかと探して見つけたのが、

桑沢デザイン研究所の2部(夜間)だったんです。ここならバイトしながらなんとか通えそうだなと。


――デザインの専門学校の受験となると、試験があるわけですよね?

   それ専用の受験勉強もしなくてはいけないと思うのですが…。


おっしゃる通り、デッサンや平面構成の練習をして受験してくる人たちやアトリエ卒業の人たちが多いのに、

僕は一切そういう対策をやってなかったんですよね。

でも、エンジンや部品の絵だけは日常的にめちゃくちゃ描いていた。

エンジンを見ただけで中の構図がわかるくらいにはなっていたので、無事に受かったのはそのおかげかもしれません。


――いざ、デザインの専門学校へ! 学校生活はいかがでした?


1年目は結構真面目に通いました。でもだんだんお金がなくなり、バイトをしなくちゃまずい状況になってきて。

そのときは都内の額縁屋さんでバイトをしていました。画家の先生の家まで車で配達に行ったり、

展覧会に出す絵画のピックアップに行ったり、楽しかったですね。

それがだんだん面白くなっちゃって、学校にもだんだん行かなくなっちゃったんですよね。


――えっ、1年しか通っていないのに!?


ほぼ1年足らずで行かなくなっちゃいましたね。

たまに学校に行って仲のいい友達や先輩と話すくらいだったのですが、あるとき友達からバイトの面接に誘われたんです。

面白そうだから行ってみようと思ったそれが、代官山にあるブックデザインの有名な先生のいる事務所でした。

そこではじめて本のデザインというものに触れたんです。



ブックデザインとの出会い


――代官山のブックデザイン事務所で、本のデザインに初めて出会ったんですね。


はい。面接に行って、そこでバイトしてみたいと思い、先生に長い手紙を書きました。

19歳くらいのときだったかな。

「本のデザインがあると知って、すごく感動しました。僕は何もわかりませんけど、やってみたいです」って。


――そこまでして入りたかった理由は何だったのでしょうか?


桑沢デザイン研究所に入って、デザインにもたくさんの種類があると知りました。

僕は、工業デザインきっかけで入ったけれど、グラフィックデザインやファッションデザイン、もちろん絵画やブックデザインも。

いろんなデザインに触れてきた中で、ブックデザインの事務所で具体的にデザインに触れてみたいと思ったんです。


――熱い手紙の結果、採用されたのでしょうか?


どうせ受からないだろうなと思っていたら、なんと採用されたんですよ。

それで行ってみたら、デザインの学校や美大を卒業してきた先輩たちがたくさんいて、学校に行っていない僕を見て

「お前はなんなんだ?」と(笑)。

でも、「教えてください!」という姿勢を貫いていたら、ある怖い先輩のアシスタントにつくように言われたんです。

その先輩はその事務所で一番怖い人で、いまだにあの人以上に怖い人には出会ったことはないんですが(笑)。

最初は口も聞いてくれなかったし、ずっと付き人のようなことをしていました。


――そこからデザインの仕事はもらえたのでしょうか?


いえいえ、デザインなんて一切させてもらえなかったです。

それでもアシスタントみんなでやる仕事は楽しかったですけどね。

ほぼ泊まり込みで、先輩の手伝いや雑務のようなことをやっていました。

事務所がペントハウスみたいな場所で暗室も併設されていたので、そこで写真の現像をしたり、

帰れないからって交代で仮眠をとったり。


――青春っぽくていいですね。でも、デザインは相変わらずやらせてもらえないと…


そうなんです。しばらく経って、やっぱりデザインをやらせてもらえない状況に嫌気が差してきて…。

一方ブックデザインデザイン事務所のほうは、当時バブル景気だったこともあり、どんどん大きくなっていきました。

結局2年ほど在籍していたのですが、最終的に22歳くらいのときにもう辞めようと決め、一旦横須賀に帰ることにしたんです。


――せっかく本のデザインと出会ったのに、結局肝心のデザインはやらせてもらえなかったのですね。


それで、帰って就職しようと思い、そのときに始めたのが求人雑誌の広告デザインでした。

広告デザインをやってみたかった気持ちもありましたし、営業の方が売ってきた広告枠をすぐデザインして掲載する、

というスピーディな流れも面白かった。

景気もよかったから旅行や飲み会もたくさんあったし、「この仕事最高じゃないか!」と思っていました。

ところが、ある日突然代官山のブックデザイン事務所にいた例の怖い先輩から電話がかかってきたんです。

「代官山の事務所を辞めて新しい会社を作るから新上、お前も来い」と。

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△アシスタント時代のboss、仕事ではじめての海外へ@エジプト


――えっ、あの怖い先輩からの電話ですか!


飛び上がりましたよ…。ただ、可愛がってもらっていたことには変わりないので、お誘いはありがたかったですけどね。

「僕もデザインやらせてもらえるんですか?」と聞いたら「もちろんだよ」と言うので、飛び込んでみることにしました。

それが池尻大橋にあったデザイン事務所です。

当初、建築雑誌のデザインをやることが決まっていたので、僕も手伝うようになりました。

ところが、怖い先輩の仕事を手伝ってみたら、難しすぎてさっぱりわからなかったんです。

なんじゃこりゃ?って思いましたね。


――建築雑誌のデザイン、なかなか難しいものだったのですね。


狭い部屋で机を2つ並べて、先輩の手元を見ているうちにこの人はとんでもない実力者だったんだということがだんだんわかってきて。

同時に「僕は何も勉強をしてこなかったんだ」ということも身にしみるように理解しました。

あのときは本当に自信がなくなりましたね。

こんな難しいこと僕にはできないと自信を失っていたときでした。

突然先輩に「俺、新婚旅行に行くから新上、お前が次の雑誌1号分をやれ」と言われたんです。


――それは突然すぎますね…


崖から突き落とされるほどの衝撃でした。

デザインのやり方もわからないのに、もうやるしかない。

見様見真似で作ったら印刷事故もばんばん起こるし、他のデザイナーの先輩にも助けてもらいながらなんとか1冊作りきったものの、

「もうこれは勉強しなくちゃダメだ」と心から思いました。もうあのときの雑誌は見たくないですね…(笑)。

そこから真面目に、先輩の仕事や先輩が学んだ代官山のブックデザイン事務所の先生のデザインについて勉強を始めました。

やっていくうちに、先輩が代官山の事務所の先生を尊敬していたこともわかってきたし、学ぶ上で、

そのデザインの宗派的なものを自分が引き継がなければならないこともわかってきたんです。


――デザインには宗派があったということですか?


当時のメジャーなデザインの在り方として、宗派を継承していくという流れが一般的でした。

先生たちが作ったデザインの宗派を僕らは突き詰めていけばいい、というのがスタンダードな形。

いわゆるアカデミックな世界で、例えば「あの先生はこういう書体を使っているからそれに従う」というように、

先生の型の写経しているみたいなイメージです。

宗派に沿ってやっていたら自分のデザインが縮んでしまう。

同時に、その宗派を引き継いでいくには、一生をかけてやらないとできないくらい大変だということもわかってきて。

自由にデザインができないことにだんだん腹が立ってきて、成人向け雑誌やクルマ雑誌のレイアウトのバイトをするようになったんです。


――それは先輩には内緒で?


もちろん内緒です。

成人向け雑誌は、写真さえちゃんと見せればタイトル周りなどを遊ばせてくれるような時代だったので、

のびのびとデザインができてうれしかったですね。

でも、結局本職の先輩の元での仕事は窮屈になってしまい、辞めることになりました。

僕は元々野良犬みたいなものだから、アカデミックな世界は窮屈に思えて仕方なかったんでしょうね。

もちろん、そういう世界は突き詰めるほど面白味があるんでしょうが、自由でいたい僕には合わず、

その世界から脱却したかったんです。


――先輩の会社を辞めたあとはフリーで活動されていたのですか?


そうですね。24歳くらいのときにフリーとなり、「新上ヒロシデザイン室」の屋号で雑誌を中心にお仕事を受けていました。

その時代は雑誌が1週間に1冊できるような時代で、たくさんの媒体をデザインさせていただいていましたね。

仕事をやればやるほど当然売上も上がってきます。

税金問題をどうしようかと悩んだとき、会社にしようと思って作ったのがナルティスです。



――ナルティスという名前にした理由を伺ってもいいですか?


“ナルシスト”の“ナル”を入れたかったというのと、最後に”ス”をつけたかったんです。

“ス(s)”をつけることで僕ひとりではなく、“デザイン集団”にしたいという想いもありました。

あとは、前の事務所でアカデミックなデザインに縛られていたのもあって、それは絶対にやるまいと思っていましたね。

僕を含めてひとりひとりのデザインができるような会社にしたかったんです。


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△当時のロゴ




本記事の【中編】では、ひとりのデザイナーとしての新上ヒロシさんについて深堀していきます。

お楽しみに!


ナルティスではデザイナーを募集しております。


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# by nar_boss | 2022-04-11 17:00 | 応募者のためのナルティスツアー2022
2022年 04月 07日
応募者のためのナルティスツアー2022 vol.7

こんにちは!ライターの宮本です。

入社10年目のデザイナー原口恵理さんに迫るインタビューの後編。

今回は、入社してから現在に至るまでを振り返り、さらにナルティスで初めて取得されたという産休・育休についてのお話も伺います。


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現在ナルティスではデザイナー募集中です。>>>募集要項はコチラ>>>

よりナルティスを知っていただくための「応募者のためのナルティスツアー2022」を公開中です。
ぜひご覧ください。
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■今回のインタビューイ

原口恵理さん◎2013年4月入社。大学卒業後、専門学校に進学。新卒でナルティスに入社。

産休育休から復帰後1年。

代表作は『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ/KADOKAWA)、『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)、

『艦隊のシェフ』([原作]池田邦彦[作画]萩原玲二[監修]藤田昌雄/講談社)、

『ひかるイン・ザ・ライト!』(松田舞/双葉社)など。



Interview
子育てと仕事を両立する10年目デザイナーの現在地

「ひとまず10年」を目の前に思うこと


――2022年4月で入社10年目を迎えられるとのことですが、振り返ってみていかがですか?


あっという間の10年でしたね!格段にできることが増え、広い視野でデザインについて考えることができるようになったと思います。

思い返すと入社当時は何もわかっておらず、トンボを切るのもいちいち不安でしたし、

データを作るのも不安で先輩に逐一確認してもらいながらやっていましたね。

今は後輩も増えて、bossや先輩方に教わってきたことを振り返りながら指導にあたっています。


――自分が成長したなと感じる瞬間はありますか?


1年目からずっと地続きになっている感覚なのですが、提案力は増えたかなという気がします。

最初は頭が固くて当たり前のパターンしか出せなかったなと思うのですが、

今は色んな角度からのアプローチでその作品の魅力を出すためのアイデアが出せるようになったかも。

入社したときにbossに「ひとまず10年頑張ってみな。」と言われていたので、とりあえず10年というのを目標にして

頑張ってきたのというのもありますね。


――長く続けているとモチベーションが下がるときもあると思うのですが、そのあたりはいかがでしょう?


あんまりモチベーションが下がらないタイプかもしれません。

今日ここに自分が携わった作品を用意してもらっているのですが、見ていただいたらわかる通り、

それぞれのジャンルが全く別。そうなると、考えることも作品ごとにがらりと変わってくるんですよね。

かっこいい系だったり、おしゃれ系だったり、シンプルな大人系にまとめたり…。

作品の性格によって色んな角度からのデザインにチャレンジできるので、飽きが来ない仕事なのではないかと思います。

それでも気持ちが乗らない時は、編集さんや作家さんが喜んでくれたときのメールを読み返したり、

好きなデザイナーさんの作品を見たり、娘の写真を見たりします。(笑)

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――初めて奥付に名前が載った作品のことを教えてください。


初奥付は『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)という作品です。

入社した翌年に担当させていただきました。


――入社して2年足らずで単独奥付だったのですね!


bossと共作という感じで一緒に進行していたのですが、「これはほとんどぐっち(原口の愛称)がひとりでやったようなものだから、

自分の名前だけ載せな。」と言ってくださって…。初めて単独で名前を載せていただきました。


――どんな気持ちでした?


すごくうれしかったです!

昔から本が好きだったので、自分の名前が本の一部になっているというのがすごく不思議な気持ちでした。

『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)は2020年に20巻目となる最終巻が出て完結したのですが、

最後まで一緒に走らせていただいて本当にありがたかったです。

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――作品の完結まで一緒に走るのってどんな感じなのでしょう?


キャラクターは、自分の友達みたいな感じになります。

あのキャラはこういうときにはこうやって行動するだろうなっていうのもわかってくるし(笑)。

トクサツガガガは長い連載期間の中で、ドラマ化をされたり、特装版が出たり、

雑誌でも特集記事を何度もデザインしたりと、色んなことを体験させていただきました。

そういった節目節目で一緒に作品を盛り上げるお手伝いが出来て、とても嬉しかったですね。

連載が最終回を迎えた時は、キャラクターたちにもう会えなくなるんだと、本当の友達との別れのように寂しかったです…。



デザイナーに必要なコミュニケーション能力


――装丁のお仕事、原口さんはどういった心意気で取り組んでらっしゃいますか?


どの作品も作家さんの魂のこもった作品なので、全力でやらせていただいています。

デザイン中はプレッシャーもすごいんですが、作家さんや編集者さん、読者さんに

喜んでもらえる装丁にしたいという気持ちが強いですね。

装丁のイラストディレクションから入る場合は、この作品をどうしたらひと目で読者さんに手に取ってもらえるんだろう

というのを真剣に考えます。

逆に、作家さんからすでに完成絵をいただいて作る場合は、「作家さんはこういう絵を描きたかったんだな」というものを汲み取り、

どうデザインすれば一番装丁でイラストが映えるかを考えることが多いですね。


―― “絵を見て相手の意図を汲み取る力”というのも大事なスキルなのですね。


そうですね。

実はデザインってコミュニケーションの仕事だと思っていて。相手の話や意図を理解する能力は

意外とデザイナーに求められることなんですよね。


――デザイナーさんって黙々とパソコンに向かっているような勝手なイメージを持っていました。


私もデザインの仕事に関わる前はそう思っていたのですが、実際働いてみると、編集さんとの密な連絡のやりとりもしますし、

いただいたテキスト素材を見て「ここを盛り上げたいんだろうな」と文章から読み取る力も必要だったりするんです。

打ち合わせでも、編集さんや作家さんがどのように見せたいのか、どんな人に届けたいのか、など

“ヒアリングする力”というのは必要になってきます。


――実はコミュニケーションが必要な仕事なのですね!


と言いながらも入社当時は全然できませんでしたよ(笑)。

bossや先輩方の打ち合わせに同席させていただいて学んでいきました。最初は同席した打ち合わせでも何も喋れなくって…。

私は相槌しか打つことしかできないのに、その横でbossは先方の意図を汲み取って「こうですか?」って

さらさら~とイラストラフを書いたりするんですよ。それを見て毎回驚かされていました。



初めての産休・育休を安心して過ごせた


――原口さんはナルティスで初めて産休・育休を取得されたとお聞きしました。詳しく教えてください。


会社としても私としても、初めての産休・育休でした。

一昨年の1月くらいにbossとマネージャーには妊娠したことをお伝えしたのですが、

すぐコロナ渦になってしまったこともあり3月から私だけリモートワークの体制を取らせてもらいました。

(※2020年4月以降は全社的にリモートワーク体制へ、現在も一部リモートワークを実施しています。)


――手続きなどはスムーズに進んだのでしょうか?


はい。そこからマネージャーと具体的な日にちを決めながら、郵送で必要な書類をやりとりして…。

リモートワークをしながら出産の1ヶ月前には無事に産休に入らせてもらいました。

会社として初めての産休・育休取得だったので、サポートしてくれたマネージャーも大変だったと思います。


――産休に入られてそのままの流れで育休も取得されたのですか?


9月に出産してそのまま育休を取り、次の年の4月から復帰しました。だいたい8ヶ月くらいですかね。

4月に娘を保育園に入れたのですが、慣らし保育の期間もマネージャーに仕事量をセーブしてもらい、

ゆっくり娘と向き合うことができたのでありがたかったです。


――育休期間、不安だったことはありますか?


デザイナーとしての感度が下がるのではないか、というのはめちゃくちゃ不安でした。

でもだからといって、育児は毎日が目まぐるしくデザイン書を見るような時間もなく、

またコロナ禍もあって外出む難しくて展示を見に行ったりもできず・・・。

せめてと思って、雑誌や街の看板、テレビの画面など目で得られる情報から

“このデザインは何を意図して作られているのか”などをいちいち考えるようにはしていましたね。

本当に忙しかったので、できたのはこれくらいです。


――クリエイティブのお仕事は、ブランクを経ることを不安に思う方って多いと思うんですよね。


私もすごく不安だったのですが、「でも8ヶ月だけだしな~!」と思い直しました。

復帰したあとは色々なものを見る機会が増えたので、デザインから離れていた期間を埋めるかのように

めちゃくちゃデザイン書を読み漁るようになりましたね。


――復帰してからはスムーズに仕事に戻れましたか?


Adobeの操作は「あれ? こんなだったっけ?」と思うくらい最初は脳がバグっていたのですが(笑)。

すぐに慣れて、復帰して新規の案件をいただき、割とスムーズに戻れたと思います。

復帰後初めてのお仕事はこちらの『ひかるイン・ザ・ライト!』(松田舞/双葉社)でした。

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ただ、作業量やスピードを産休・育休前のペースに戻すのは苦労しましたね。

やっぱり感覚は落ちていたのかなと思います。

今はもう1年経ち、以前の思考回路でできるようになりましたけど。

ただ、娘もいるので物理的に以前より時間が取れないのでわーっとなっちゃうこともあります(笑)。


――育児と両立されている今、どのような働き方をされているのでしょうか?


朝9時に娘を保育園に送り、その後家の片付けをしつつ11時前には仕事を始めます。

保育園が18時までなので、迎えに行ってから娘のご飯やお風呂を用意して、21時までには寝かしつけ。

そこからまた夜に仕事を開始するという感じです。

本当に疲れているときは寝かしつけと一緒に寝落ちしたりとかもあります…(笑)


――基本はご自宅でお仕事されているのですね。


はい、出社はせず、基本は在宅ですね。

私の場合は時間が限られているので、ガッと集中して仕事をするようにしています。

リモートワーク中デザインで迷ったりしたら、マネージャーにメールして「どうですか?」と聞いてみたり、

デザイナーの友達と電話したりするようにしています。あとは飼っている猫をぎゅっと抱きしめて癒やされる!


――1日にどれくらいの案件をこなされているのでしょうか?


1日に2、3件はラフを送って、入稿が1本とか…。

最近は結構忙しくなってきて少しハードです。

でも、「原口さんにお願いしたいです」と編集さんからご指名いただくお仕事は、できるだけ全部受けたいと思っています。


――9年も続けられていれば、ご指名の案件も多いんでしょうね。


本当にありがたいですよね。

今でも「私でいいのか…」と思うこともありますが、でもどれだけ忙しくても「全部引き受けたい!」という気持ちになっていくんです。

いただいたお仕事は全力でやらせてもらっています。


――最後にどういう方にナルティスに来てほしいと思いますか?


何事も楽しめる人です。うちは漫画に関連するお仕事が多いですが、漫画の中でも少女漫画だったり、

青年漫画だったり、少年漫画だったり、本当に幅広くやらせていただいているので、

どんなジャンルでも興味を持って作品のことを理解しようとする人に来ていただけるとうれしいです。

たくさんのご応募お待ちしています!


【終】




「応募者のためのナルティスツアー2022」、最後はナルティスbossのインタビューをお送りします。

鋭意編集中ですのでお楽しみに!!


ナルティスではデザイナーを募集しております。


デザイナー募集要項はコチラからご覧ください。







# by nar_boss | 2022-04-07 17:59 | 応募者のためのナルティスツアー2022
2022年 04月 06日
応募者のためのナルティスツアー2022 vol.6


こんにちは! ライターの宮本です。

vol.6となる今回は、ナルティスでも一番社歴の長い社員・原口恵理さんにお話を伺います。

ナルティス唯一の新卒入社でもある原口さん。デザイナーになった経緯から仕事に込める思いまで深堀していきます。


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現在ナルティスではデザイナー募集中です。>>>募集要項はコチラ>>>

よりナルティスを知っていただくための「応募者のためのナルティスツアー2022」を公開中です。
ぜひご覧ください。
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■今回のインタビューイ

原口恵理さん◎2013年4月入社。大学卒業後、専門学校に進学。新卒でナルティスに入社。

産休育休から復帰後1年。

代表作は『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ/KADOKAWA)、『トクサツガガガ』(丹羽庭/小学館)、

『艦隊のシェフ』([原作)池田邦彦[作画]萩原玲二[監修]藤田昌雄/講談社)、

『ひかるイン・ザ・ライト!』(松田舞/双葉社)など。



Interview
自分色ではなく、作家さんに寄り添った色を出していきたい


新卒で飛び込んだデザインの世界


――原口さんは、現在のナルティスで唯一の新卒採用と聞きました。


そうですね。でも新卒といっても、私一度社会人を経験しているんです。

4年制の大学に入り、広告の営業職を1年やってからデザイナーをやりたいと思って専門学校に入り直したという。


――そこまでしてデザイナーをやりたかったと。


小さい頃から本を読むことと絵を描くことが自分の根幹にありました。

でも、当時自分の周りに美大に行く人も絵を描く人もいなかったので、

自然と将来の夢という範疇からデザイナーは外れていたんですよね。

でも、デザイン学部のある大学に入って、絵やデザインが好きな人たちと関わりながら自分でも制作活動をしていくうちに、

だんだんと自分の中でデザインという仕事が具体的になってきたんです。

気づくのが遅かったのですが、大学の就活のときに初めて「本をデザインする仕事があるんだ!」と知り、

そのときに初めてデザイナーを目指してみようと思ったんです。


――数あるデザイン会社の中からナルティスを選んだのはどうしてですか?


おもしろい本をたくさん手掛けているデザイン会社だなと思っていました。

家にある漫画の奥付を片っ端から見てみたら、ナルティスが手掛けているデザインがいっぱいあったんですよ。

それで受けてみたいなって。

でも、経験者採用しかしていなかったところに、新卒で飛び込んだのは緊張しました。


――えっ、新卒で経験者採用に応募したんですか?


そうなんです。「出すだけ出してみたら?」と友達に背中を押されたのもあり、応募させていただきました。

「とりあえず飛び込んでみよう!」と面接を受けたのですが、面接でbossとマネージャーがすごく話しやすい雰囲気を

作ってくれたことを覚えています。それまでの就活の中で一番話しやすい面接で、全く緊張しなかったんですよね。


――それで見事合格したのですね!


はい、ありがたいことに。

今だから言えることなのですが、実はナルティスの最終面接の段階で、別の広告会社の内定をもらっていたんです。

直前になって、自分が本当にやりたいのは「広告か?それとも本か?」ということを考えたときに、

「やっぱり本だ!」と思ってナルティスの面接を受けにいったのを覚えています。


――やっぱり本だと思った理由は?


小さい頃から本当に本が好きだったので、最後はその気持ちでしたね。

自分のこれからの人生を考えた時に本という媒体が自分のやりたいことだな、と。


――応募時に提出した原口さんのポートフォリオを見せてください。


今見ると滅茶苦茶なんですけど…(笑)。

これは、坂口安吾をテーマにして作ったZINEです。

文芸作品を題材にしてそこから二次創作をするという活動をしていました。

こちらは学生時代に作った作品をまとめたポートフォリオ。写真やグラフィックなど、まんべんなく載せるようにしました。

このときは頑張ったんだと思いますが、今見ると詰めが甘い(笑)


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――今回の募集もポートフォリオ提出が必須となります。ポートフォリオを作る上でのポイントは?


その人の“好き”がわかるようなポートフォリオだといいなって思いますね!

あとは、どうしたら人に気持ちよく見てもらえるかを考えることも大事。

ポートフォリオの細部までこだわっていると、実際の制作物も細部までこだわってるんだろうなって思います。



10年目デザイナーが語る、ロゴと書体の奥深さ


――最近はどんな作品を手がけられているのですか?


最近では、雑誌『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)や『PASH!』(主婦と生活社)の表紙デザインを

やらせていただいています。あとは単行本などの装丁のお仕事も多いですね。

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例えば、こちらの『ゴゴゴゴーゴーゴースト』(蛭塚 都/KADOKAWA)は今年の1月に出た本なのですが、

作家さんから「こういうイメージです」とご要望があった方向とは別の方向で提案したロゴがぴったりとはまり、

採用していただきました。


――わっ、このロゴの「ゴ」って原口さんの手描きなのですね!


そうなんです。こうやって書き殴った感じもいいなと思ってたくさんノートに試し書きしていました。

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――ノートにロゴ案などを書かれているのですね。


そうですね。色んなものを書き込んでいる打ち合わせノートというかんじです。

ロゴ制作では、まずノートに書いてだいたいの形を決め、それをスキャンしてIllustrator上で調整していくことが私は多いです。

『ゴゴゴゴーゴーゴースト』(蛭塚 都/KADOKAWA)を読ませていただいたとき、躍動感や疾走感のある作品だなと感じたので、

サイケデリックな感じで攻めてみようと思って作成しました。


――毎回作品を読んでからデザインされるのでしょうか?


読みますね。

読み切り作品などでは、原稿がまだ上がっていない状態でデザインすることもあるのですが、

単行本や新連載作品はだいたい事前に読ませていただいています。

時代性やストーリー性、登場人物の性格や作品全体の雰囲気は読んでみるとより理解できます。

読んだら、「この作品タイトルには、どんなロゴや書体が合うのかな?」というのを考えますね。


――作品タイトルはロゴの場合と書体の場合があると思うのですが、原口さんはどちらのほうが多いのでしょうか?


作品の雰囲気にもよりますが、私はロゴをイチから作るほうが多いかもしれません。

この『怪異と乙女と神隠し』(ぬじま/小学館)は登場人物の目がぐるぐるっと渦巻き模様になっていたのが印象的だったので

それを取り入れたのと、作品全体から伝わる怪しさを表現したいと思って制作したロゴです。




ロゴ制作の醍醐味は、自分なりの作品の良さを出せるところだと思っています。

最近ではbossに「ぐっち(原口の愛称)はロゴの人だね!」と言っていただけるようになり、

身に余る思いですが、これからも極めていきたいなと思っています。




――ロゴの人!

   映画化も決まった『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ/KADOKAWA)のロゴはどのように作られたのでしょうか?


『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ/KADOKAWA)は、激情型の熱い強い想いで駆け抜けるストーリーだったので

最初は太めの書き殴ったようなロゴを考えたのですが、いろいろな手書き文字のパターンを出してここに落ち着きました。

でも、主人公の寂しさとか繊細さが出たこの細めの書き文字で良かったのかなと思っています。

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――“自分のデザイン”として必ずこだわっているところはありますか?


どちらかというと、自分の色は出せなくてもいいのかなと思っています。

デザイナーさんによっては、その人らしさがデザインに出て「あの人がデザインした本だ!」とわかったりするのですが、

私は毎回その作品に合うデザインをしていきたい。

自分色ではなくて作家さんに寄り添った色を出していきたいなと思っています。


――なるほど。作品ファーストということなのですね。


作品が色んな人の目に止まって、その作品を彩る一部になれるということは、この仕事の醍醐味だと思います。

例えば書体ひとつとっても、作家さんの名前を明朝体にするのか、それとも太いゴシック体にするのかで印象は全く変わってきます。

書体をはじめ、私のひとつひとつの選択が、作品の持つ空気感を形作る一部になるので、

その責任感や重大さを毎回感じることは大変でもあり、やりがいでもありますよね!


――たしかに、書体が違うだけで作品の雰囲気はガラッと変わりますね。


例えば、戦時中の厨房をテーマにした『艦隊のシェフ』([原作)池田邦彦[作画]萩原玲二[監修]藤田昌雄/講談社)は、

最初にロゴ案と書体案を両方提出したのですが、最終的に書体案が採用されました。

やっぱり戦時中の真面目で実直なイメージは、明朝案の書体案のほうが合ったのかもしれないですね。

書体には書体の完成された美しさがありますから。

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――原口さん、もしかして書体にもかなりのこだわりをお持ちだったり…?


書体にこだわるのは、もしかしたらboss譲りかもしれませんね。

bossにずっと言われてきたことでもあったので…。

bossは書体の人という感じで、その作品にピタッとハマった書体を見つけるのが本当にうまいんですよ。

そういえば、昔、『小光先生の次回作にご期待ください。』(水口尚樹/小学館)の巻数表記の数字を

「なんでこの書体にしたの?」とbossに聞かれたことがありましたね。

これは、漫画家をモチーフにした作品だったので、「FOTComic Shop」というフォント名の書体を選んだんです。

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――テーマにちなんだ書体をチョイスしたのですね、おもしろい!


bossに言われた思い出でいえば、この『盤上のポラリス』([原作]木口糧[漫画]若林卓宏/講談社)という作品も、

bossに「もっとケレン味を!」と言われたこともありました。


――ケレン味とは?


はったりやごまかしを効かせた演出のことをいうんですけど、bossが言うのはちょっと遊び心を入れたり、

型にはまらない感じをもっと出して、ということです。

昔からbossには「ケレン味が大事だよ!」を言われ続けていて、このときは、本の背のデザインをチェス盤をイメージしたデザインにしたり、

表紙にも枠を設けてみたりしました。bossに教えていただいたことは山ほどありますね。

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本記事の後編では、ナルティスで初めて産休・育休を取得した経緯についても伺っていきます。


ナルティスではデザイナーを募集しております。

この後も「応募者のためのナルティスツアー2022」は続きますのでお楽しみに!!


デザイナー募集要項はコチラからご覧ください。






# by nar_boss | 2022-04-06 12:40 | 応募者のためのナルティスツアー2022