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2017年 12月 25日
【装丁レポ】『ゲッターズ飯田の裏運気の超え方』の裏側。
ごきげんいかがですか?
マネージャー上野です。

11月に発売となってご好評いただいている『ゲッターズ飯田の裏運気の超え方』
今回は久々の装丁レポートをお送りします。
装丁レポートというか、事件というか、わたし自身がしびれた話というか、
年末のお忙しい中とは存じますが、ぜひ読み進めていただけるとうれしいです。
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ゲッターズ飯田さんの著作に装丁で関わるのは5作目。
これまでの以下4作は、ポップにわかりやすくお伝えするものでした。

今回は、少し趣向を変えて、
「読み物なので、落ち着きのある仕上げにしたい。
 じっくり読んでいただけるもの、それでいてとっつきにくくない。
 ちょっと変な感じになってもいいから、なんかよくわからないけど
 エネルギーのあふれている感じにしてほしい。」
というのが、デザインに関するオーダーでした。

もうこれ、本ができあがるまで、
担当編集である朝日新聞出版の高橋氏が、
何度も何度も何度も何度も繰り返しおっしゃっていたことでした。

正直、なんか変な感じってなんだよ!と思いつつ、
じっくり話を聞きながらその意図を探ります。

本の内容としては、
運が良い、悪いってどういうことなんだろう。
運が悪いと感じる時期があるとしたら、その時期をどうやって過ごせばいいんだろう。

一般的に言われる「運が悪い時期」は、ゲッターズ飯田さんのいう「裏運気」。
それがどんな意味を持つ時期でどんなふうに対峙すればよいかが、
じっくりと丁寧に書かれている1冊です。

装画は浦正さんにお願いしました。
落ち着いた雰囲気の中にも、チャーミングがあふれる装画と挿絵を描いてくださいました。
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大ボリュームの原稿を読みながらデザインを進めたのは、bossとデザイナー原口。
本文の手書き部分は、僭越ながらわたくしマネージャー上野の文字を使ってもらいました。
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それは、怒涛の入稿も完了し、色校もバッチリ、
いよいよ校了だ!という最終段階での出来事でありました。

今回のカバー用紙はヴァンヌーボV
帯の用紙はキャピタルラップ
キャピタルラップは強度もあり、安価、そして少しだけ透ける風合いのある紙です。
その名の通り、ラッピングペーパーとして使われることが多い紙です。

この透け具合、伝わりますでしょうか。ものすごい微妙なニュアンスなのですけど。
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浦正さんの描く水面がうっすらと透けているのです。
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色校正もバッチリ、もう校了だーーーーー!!
(ちなみに校了とは、もうあとは発売を待つだけ!という状態です)
という段階で、担当編集の高橋氏よりbossに電話。


高橋氏「もっと目立つように、帯の用紙を、コート紙に変更したいんです。」

ん?
もう最初からキャピタルラップでいこうって話になっていたし、
この段階でどういうこと?

コート紙は、一般的に帯用紙としてもよく使われる紙です。
ちなみにコート紙、透けません。

もちろんよく使われるだけあって良い紙ではあるのですが、
キャピタルラップのような風合いは、ないのです。

今回の落ち着いた雰囲気にはキャピタルラップだ、というのが
当初からのbossの提案でした。

校了直前での高橋氏の電話の意図は、以下。

「キャピタルラップの風合いによって、帯の情報が沈んで見える。
 売るための情報が満載の帯で、情報が沈んでしまうのは避けたい。
 もっと目にバキッと入ってくるように、用紙を変更したい。」

一方のbossは、
「この本に、コート紙の帯は合わない〜っっっ!!!
 情報は沈んでいるとは言い難いし、コート紙だと全体の雰囲気ぶち壊しですっ!!
 本としての雰囲気はゆずれない!!」
と、意見が相容れない状況に。


伝わりますか?
右がキャピタルラップ。左がコート紙にPP加工。
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こちらがキャピタルラップで、
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こちらがコート紙にPP加工。
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キャピタルラップ vs. コート紙PP加工の電話でのやり取りは、
平行線のまま数十分続きます。
最終的に決着がついたbossのひとこと。

boss「この本に合わない靴を履かせて舞台に立たせるわけにはいきません!!!!!」

結果的には予定通り、帯の用紙はキャピタルラップでいくことになりました。
わたしは後日談として、担当編集の高橋氏からこの話を伺ったのでした。

高橋氏は「帯は看板である」と考えているのに対して、
bossは「帯は靴である」と考えている。

高橋氏後日談
 「今も、帯は看板だと思っています。
  でも、あの電話で「この靴を履かせて舞台に立たせるわけにはいかない!」と言ったときの
  新上さんの声は震えていました。
  僕の声は、まだ震えてないな、と。
  これは新上さんを信じた方がいい、
  そう思って、キャピタルラップでいくことに決めました。」


当然のことながら、この本に関わる全員が
どうやったらいちばん良い形で読者に届けられるか、
どうやったらたくさんの方に手に取ってもらえるか、
を四六時中考えているわけです。

それぞれがそれぞれの立場で、異なる角度で考えを深めるので、
当然意見の違いも出てきます。

このレポートではデザインに関することだけに触れていますが、
きっと原稿執筆段階でも試行錯誤と紆余曲折があったと想像します。

そして発売になった後も、どうやって読者の手に届けるかを
必死に考えてくださっている販売の方々がいらっしゃいます。
今回はフェアもたくさん実施してくださったそうです。

どんなにみんなで考えても、
正解は、店頭に並ばないとわからない。
読者の反応を見るまでわからない。
何をどう選択して、決めていくかは、賭けでもあります。

本ができあがるまでに、何度も何度も意見を交換したり戦わせたりしながら、
一緒に信じる形を仕上げていく。どの形に賭けるかを最後の最後まで。

おかげさまで、シリーズ累計40万部(本日時点)を超えるヒットになったので、
こうしてレポートを書いていられるわけなのですが。。。
ありがたいことです。
読んでくださったみなさま、ありがとうございますーーー!!


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帯を看板に例える編集者と、
帯を靴に例えるデザイナー。

10年近くデザイン事務所のマネージャーをやってますが、
こういう状況には何度立ち会っても、ぐっときます。
職人同士のぶつかり合いみたいなこういうの、しびれます。

わたしもデザイン事務所の一員ですが、
少し離れたところからデザインのゆくえを眺めていられる楽しいお仕事でございます。

今年もたくさんデザインが出来上がっていくのを見られて面白かったなあ。
それもこれも、ご依頼あってこそ!ありがとうございます!!

なんだか年末のご挨拶をお伝えしたい気分になってきました。
本年も大変お世話になりました。
お仕事納めまで数日ありますが、このまま乗り切ります!
どうぞよろしくお願いいたします。


さて、かくいう私も来年から裏運気なのですが、裏運気が楽しみになるような1冊です。
『ゲッターズ飯田の裏運気の超え方』年末年始のお供にぜひ!!
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装丁・デザイン:新上ヒロシ+原口恵理+上野友美
装画・挿絵:浦 正(http://www.gleamix.jp/

by nar_boss | 2017-12-25 21:42 | △▲マネージャー上野日誌
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